
装備画面を開いたまま、しばらく固まっていました。
アクセサリーの枠は2つ。片方には「皮の収集量が増える」やつ、もう片方にダメージ軽減。どっちも外せません。外せないというか、外したら面倒が増えるか、死ぬ。
本当は「赤攻撃をパリィできるようになる」やつを付けたかったんですよ。付けられませんでした。
で、そのとき思ったんです。
あれ、俺このゲームで何を強くしてるんだ?
『アサシン クリード ブラック フラッグ RE:シンクロ』、クリアしました。私の点数は73点です。
海外メディアの平均は84〜86点。だいぶ低い。
先に言っておくと、このゲームの海は本当に素晴らしいです。そこは疑いようがない。それでも73点なのは、さっきの装備画面の話が、最後まで尾を引いたからです。
先に断っておきます。私は原作ファンではありません
ここがズレていると、以下の話は全部意味が変わってしまうので、最初に立ち位置を書いておきます。
- 2013年のオリジナル版『AC IV ブラック フラッグ』は未プレイ
- アサシン クリードのシリーズ自体は遊んでいて、『シャドウズ』はプレイ済み
- 収集要素を細かく潰しながら進めたいタイプ
いま出回っているレビュー、ほぼ全部が「原作と比べてどうか」で書かれてるんですよね。現代編が削られた、AC3との繋がりが切れた、声優が変わった。どれも原作を知っている人の話です。
私はそこに何の思い入れもありません。私が比べているのは原作じゃなくて、最近のアサシン クリードです。
この角度のレビューをほとんど見かけないので、それを書きます。
まず、海はマジでいい
いきなり文句から入ってしまったので、先に褒めさせてください。というか褒めたい。
海がいいんですよ、このゲーム。

波の立ち方。船の傾き方。天候が変わったときの手応えの変化。
「移動しているだけの時間が気持ちいい」って、実はとんでもないことだと思っていて。だいたいのオープンワールドで移動って苦行じゃないですか。私、ファストトラベル連打する側の人間なんですよ。
それがこのゲームだと、普通に走ってしまう。
途中で嵐が来て「嵐の間は高速航海を使えない」って出たときも、舌打ちしませんでした。「じゃあ普通に行くか」って思った。これ、けっこうすごいことです。移動が苦痛なゲームなら、ここで確実にキレてます。

船をいじるのも楽しいです。帆を変えて、船体を強化して、自分の船に育てていく感覚がちゃんとある。
砲撃で耐久を削って、横付けして、そのまま乗り込んで斬り合う。この流れが途切れずに繋がっているのも、噂どおり気持ちいい。

この時点では。
で、何が引っかかったのか
ここからが本題です。
このゲームで私が引っかかったこと、実は全部ひとつのことに繋がっています。
集めても、強くならない。
これだけ。これだけなんですが、オープンワールドでこれをやられると、けっこうな致命傷になる。
防具にスキルが付いていない。ただのオシャレです

『シャドウズ』では、防具にスキルが付いていました。しかも合成までできた。だから「この効果が欲しいから、この防具を探しに行く」が成立していたんです。
あれ、楽しかったんですよ。めちゃくちゃ楽しかった。
本作の防具は、見た目が変わるだけです。集める理由が、見た目以外にありません。
これは好みの問題じゃなくて、ゲームループの根っこの話だと思っていて。オープンワールドに収集要素を山ほど置いておきながら、集めた先に強化がないなら、その収集は何のためにあるんでしょうか。
そして、アクセサリー2枠が「保険」で埋まる
冒頭の話に戻ります。私の2枠はこうなりました。
- A: 皮の収集量が増えるやつ
- B: ダメージ軽減
なんでこうなったか。本作、動物を狩ることを一定量求めてくるんですが、漁が面倒くさいんですよ。その回数を減らすために、皮の収集量が増えるアクセサリーがある。
本当は狩りの直前だけ付け替えればいい。分かってます。分かってるんですが、私は絶対に忘れる。狩り終わってから「あ」ってなるタイプなんです。
だから付けっぱなしにしました。これで1枠、死にました。
残り1枠にダメージ軽減みたいな実用品を入れたら、はい終了。パリィのやつは入りません。
遊びを広げるための枠が、面倒を避けるための保険に食われている。
ただ、根っこは枠の数じゃないと思うんです。防具にスキルさえあれば、アクセで保険を賄っても、防具側でビルドが組めた。防具をオシャレ専用にしたしわ寄せが、全部この2枠に集中してる。
そして補給ループが、終盤ほど重くなる
海戦は楽しいです。1回目は。

素材を集めるには、敵船の耐久を削って、乗り込んで、船上で戦って、積荷を回収するしかありません。1周にかかる時間は、体感でこれくらい。
| 弱い船(船を強化した後) | 2〜3分 |
| 強い船(耐久+士気ゲージ) | 5分以上 |
で、ここが本当にきつかったところなんですが。
終盤ほど、強い船が増えるんですよ。しかも終盤は敵が強いので、船の修理(要するに回復)が必要になって、そのためにまた乗り込まないといけない。
進めば進むほど1周が長くなって、同時に必要な回数も増えていく。
世間のレビューは「接舷から白兵戦へのシームレスな流れが秀逸」って絶賛してます。流れそのものは、たしかに秀逸です。
でもそれを終盤に何十回も繰り返させられると、秀逸さって、擦り切れるんですよ。

あと細かいのを2つだけ
賞金首が、その街で一人ずつしか進められない。一人終わらせないと次に行けないので、テンポが本当に悪い。私はこれ、さすがにやりきれませんでした。途中で諦めてます。
敵の臼砲、着弾点が自分の船で見えない。避けるための情報が、自分の船に隠れるんですよ。細かい話ですけど、海戦がこのゲームの主役である以上、主役の部分にこれが残ってるのは気になりました。
ただ、これは私のせいでもあると思う
正直に書きます。
メインのミッションだけ追いかけて進めるなら、私の文句はほとんど発生しないと思うんですよ。強くならなくても、話は進む。海は綺麗だし、海戦は楽しい。
それで十分な人には、たぶん本当にいいゲームです。
問題は、私みたいに収集しながら丁寧に進めたいタイプの場合。集めても装備は更新されないし、スキルポイントも入らないし、強くならない。つまり収集のための収集になる。ここで一気に辛くなりました。
言い換えると、強くなる要素の天井が早いんです。ある程度進むと、それ以上変わらない。数十時間遊ばせるオープンワールドとしては、これはかなり手痛い設計だと思います。
で、誰に向いてるのか
こういう人におすすめ
- 海賊になりたい人。 船で海を走って、砲撃して、乗り込んで略奪する。この体験の質は本物です
- 原作未プレイの人。 私もそうですが、比較する記憶がないぶん素直に楽しめます
- ストーリー主導で一気に駆け抜ける人。 寄り道しなければ、不満はほぼ出ません
こういう人にはおすすめしません
- 『シャドウズ』でビルドを組む楽しさを知ってしまった人。 あの防具収集と合成の面白さを期待すると、確実に肩透かしを食います
- 最近のACから入って、ビルドがメインの楽しみになっている人
- 収集要素を全部潰したいタイプの人。 集めた先に報酬がないので、途中で虚しくなります
要するに「ビルドを組みたいならシャドウズ、海賊になりたいならRE:シンクロ」という棲み分けだと思っています。
原作版との比較は、私は未プレイなのでできません。原作ファンの評価が割れているのは事実なので、そこは原作を知っている人のレビューを読んだほうがいいです。
まとめ
海賊体験としては本物。海も船も海戦も、褒められてるだけのことはあります。
ただ、集めても強くならないゲームで、大量の収集要素を目の前に置かれるのは、私にはかなりしんどかった。防具はオシャレ、アクセは2枠、その2枠とも保険で埋まる。船を強くしても、終盤の補給ループは重くなる一方でした。
だから73点。面白いけど、惜しい。
海に出たいだけなら、迷わず買っていいと思います。強くなりたいなら、そこは期待しないでください。

以上、クリアまで遊んだ人間の感想でした。

